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秋の代表的な俳句と言えば、松山が生んだ俳人、正岡子規の『柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺』が有名ですね。まさに、秋の代表的な食べ物を考えると『柿』になります。
我が家の庭先に鳥が柿の種を運んで来てくれて、柿の木は1本すくすくと育っています。「桃栗三年柿八年」という諺があるので、楽しみにずっと待っていたのですが、実がなる気配は全くありません。調べたところ種から育てても実はならないのだそうです。接ぎ木して増やさないと実はならないことがわかり、ショックでした。でも、大きな柿の葉はとてもきれいですから、観賞用としてそのままにしています。
さて、果物の柿の学名は「ディオスピロス・カキ」と言います。
学名にkakiと命名されているのだから日本を代表する果物と言ってもいいでしょう。しかもディオスとは「神の」ピロスとは「贈り物」という意味があるそうなので、柿は「神さまからの贈り物の果物」ということになりますね。とてもありがたい果物だったのですね!
何故、このようなすごい名前が学名になったのでしょう。
一つの要因として柿の持つ栄養価が素晴らしいからではないかと思います。柿に含まれるビタミンCはミカンやいよかんなどのかんきつ類の約2倍です。その上、カロテンは緑黄色野菜のピーマンとほぼ同じ量含まれています。ですから、これからの寒くなる季節に柿を食べると、ビタミンCとカロテンがたっぷり摂取できるのでウイルスや細菌に対する抵抗力を強め、風邪に負けない元気な体を作ることができるのですよ。
また、最近はβ-クリプトキサンチンというカロテンの一種には抗がん作用があることが報告され、ビタミンCとβ-クリプトキサンチンによる相乗的ながん予防効果は世界で期待されているようです。
さて、柿の種類には甘柿と渋柿がありますね。柿の渋みは「シブオール」と言うタンニンです。シブオールは水に溶けるので食べると、唾液に溶けて渋みを感じてしまうのです。
甘柿には「シブオール」がないのかと言うと、甘柿にもちゃんと「シブオール」はありますが、実が熟すことによって水に溶けにくくなり、食べても渋みを感じなくなっているのです。渋柿の「シブオール」は熟しても水に溶けるので、いつまでも渋みが残るのです。しかし、アルコールにつけたり、炭酸ガスを吹き付けたりする方法で渋みを感じさせなくすることができるので、渋柿も美味しくいただけるようになりました。
このように素晴らしい果物の柿ですが、実は消化があまり良くないことと、身体を冷やす作用があるので食べ過ぎには注意が必要です。
秋には柿を食べつつ、子ども達に学名のことやその由来を教えながら、一緒に俳句をひねる、なんていかがでしょうか?
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