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栄養士の食育日記

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『地産・地消を考えよう』

1月30日の夜のニュースは女性ニュースキャスターが悲痛な声で「決して食べないでください!」の連発でした。
はじめは何が起こったのだろう?とびっくりしましたが、詳細がわかり再度驚きました。皆様もご存知のとおり、千葉県や兵庫県の3家族10名の方々が中国製冷凍餃子を食べて中毒症状を起こして入院し、一時的に意識不明の重体に陥ってしまったというニュース。原因は日本では認可されていない殺虫剤として農薬に使われる「メタミドホス」が混入されていたのです。
(参考:「メタミドホス」の致死量は体重50kgの人の場合、約1.5g程度とのこと。)

厚生労働省は中国当局に通報し、警察庁は全国の警察本部に同じような事例があれば報告するようにと指示したところ全国各地で冷凍の餃子を食べて吐き気がしたなどの情報が数多く寄せられているとのことです。
厚生労働省は
(1)被害拡大防止のため、国民への迅速な情報提供に努める
(2)薬物混入経路の解明など原因を究明する
(3)再発防止策を検討する-
3点を柱に関係省庁・機関で連携して対応することを確認した・・・とのことです。
私は大急ぎで冷凍庫を調べ「原材料:中国」をチェック!中国製と書かれているものはなかったので一安心。でも中国から肉を輸入し、日本で加工したものは日本製になるのですよね!ほっと安心しながら、このチェックだけでいいのだろうか?なんて考えてしまいました。
この数ヶ月、食の安心安全のことばかり書いているように思います。
もちろん口に入れるものの安全性が確保されなかったら、次の段階へ進むことができないのですが、あまりにもその1点のみの不安が大きくのしかかっているように思います。この閉塞的な問題の解決策の一つとして「地産地消」があると思います。今までも「フードマイレージ」という言葉はちょっとだけ紹介いたしました。しかしきちんとはお伝えしていなかったので、今回は「フードマイレージ」と「食料自給率」について紹介したいと思います。

・・・1994年、イギリスで「フード・マイル」という運動が提唱されました。
「フードマイル」とは食料の生産地から消費する食卓までの処理に着目したもので、移動距離の短い食料を食べることで輸入に伴うエネルギーをできるだけ減らし環境への付加を軽減しようとする運動です。
輸入農産物が環境に与えている付加を数値化するために考えられたものが「フードマイレージ」です。

「フードマイレージ」の計算方法は
輸出国から日本に向けられた農産物の量(トン)に輸送距離(km)を掛けて算出されます。

輸入相手国別の食料輸入量×輸入相手国から日本までの輸送距離=フード・マイレージt・km(トン・キロメートル)

例えば、2tの小麦を2km運べばフードマイレージは4t・km(トン・キロメートル)になります。この数値が多ければ多いほど食料を遠くから大量に運んでいて、輸送にそれだけ余分な燃料が必要とされ、CO2を多く排出するということです。飛行機のマイレージと違ってフードマイレージは少ないほど環境にやさしいということになります。
2001年の日本のフードマイレージは9000億t・kmもあり、韓国やアメリカの3倍、イギリス・ドイツの約5倍、フランスの約9倍もありました。
最近中国からの輸入が増えてきているので2007年のフードマイレージはもっと大きな数値になっていると思います。
「食料自給率」とは、私たちが毎日食べている食べ物がどの程度、国内で作られているかをしめした数値です。
数値を表す方法として、
①米、小麦、肉類等の食品別の品目別食料自給率
②カロリーに換算するカロリーベース自給率
③売り上げなどの生産額ベース自給率
などがあります。
②のカロリーに換算して表すカロリーベース自給率による比較をしてみると1960年代は日本の自給率は70%を超えていたのに最近の調査で40%以下になってしまったとの報道がありました。農林水産省は平成25年には自給率を45%以上に戻したい・・と目標を立てているそうです。
そのように低下してしまった理由として、お米の消費量が半分になってしまったことや輸入の割合が多い肉類の消費が5倍になるなど食生活の変化があげられています。
ここで注意が必要なのですが、「私は輸入の肉類は食べていないわ。全て国産だから・・・」と思う方がいらっしゃるかもしれません。実は日本の畜産業の方々が育てている日本産の牛であったり豚であったり鶏であったりしても、その家畜の飼料が輸入されているものであるとしたら・・・と考え、畜産物に関しては輸入飼料で生産された分は勘定しないことになっています。具体的には牛肉の自給率は44%、豚肉51%、鶏肉69%ですがカロリーベース自給率になると飼料自給率を掛けて牛肉10%、豚肉5%、鶏肉7%となってしまいます。
その他にも農家の高齢化や耕作放棄地の増加などによる生産力の低下なども原因の一つにあげられています。

今回の中国産餃子の農薬混入事件をきっかけに、フードマイレージや食料自給率の問題を再認識して、生産と消費の両面から「食育」活動を高める行動としての《食育実践活動》を行っていくことが必要だと感じました。
今後の食育活動において、食料自給率の視点から食事をイメージできるようになったり、フードマイレージや地産・地消の視点から食事を考えていくことが大切なことだと思うのです。
これからも、身近な話題を取り上げながら食育活動を行っていきますのでよろしくお願いいたします。

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