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私たちが子供だった頃、学校給食は完食しなければならないものでした。
現在は食物アレルギーの子供が急増しているため、無理やり全部食べなくてもよいものとなり、栄養価の計算はきちんとされていますしバランスの良いものが提供されていますが、食べる・食べないは子供に任されています。そのことが良いとか悪いというのではなく、食物アレルギーを持つ子供への声掛けが大切ではないかと考えさせられることが多々あったのでまとめてみます。
あいち小児保健医療総合センター の伊藤浩明先生の言葉を引用すると・・『私たちの体には、外から入ってきた異物を排除しようとする「免疫」という機能が備わっています。ところが、ときとしてこれが過剰に働き、食べ物やホコリ、花粉など、身の回りにあって体に害のないものにまで反応してしまい、かえって体に害を起こしてしまうことがあります。これがアレルギーです』
また、アレルギーを起こす物質をアレルゲンと呼び、食物アレルギーの代表的なものが鶏卵・乳製品・小麦などが代表的ですが、魚・ピーナッツ・イクラ・果物などのアレルギーも増えています。
この食物アレルギーは赤ちゃんの10人に1人くらいの割合でいるようです。理由としては消化機能が未熟なので食物に含まれるタンパク質を分解しきれず、大きな分子のまま吸収するためアレルギー反応を起こすと考えられています。
さて、アレルギー反応を起こした場合の治療法は原因食物を食べないことが原則です。大きくなって消化器でタンパク質をきちんと分解できるようになるまでの辛抱!と子供も家族も除去食で頑張っています。成長すれば自然に治ることが期待できるのですが、たまにショックなど重い症状を起こすことがあるために除去することが基本になっています。
ところが昨年、除去食を食べていた子供の言葉で考えさせられました。その子は卵アレルギーを持っていましたが、小学高学年になり、卵にアレルギーを起こさなくなったにもかかわらず卵を口にしないのです。なぜ食べないの?と聞いたところ「ずっと食べていなかったし、別に食べたいとも思わない」とのことでした。その時は「う~ん」と思っただけでしたが、気になりはじめて大学生で好き嫌いのある学生になぜ嫌いなのかを質問したところ、小さいときにアレルギーで食べない習慣ができ、そのまま食べていないから・・という回答が多かったのです。
食物アレルギーの子供は今後も増えていく可能性があります。治療の意味でもアレルゲンとなる食べ物は与えない・・という原則も変わらないと思います。しかし、その時に周りの大人が「食べられるようになったら食べようね!」などのポジティブな言葉がけをすることによって、将来の「食べたことがないから食べる必要性を感じない」という理由で好き嫌いをする青年たちを少しでも減らすことができるのかしら・・と考えています。
食物アレルギーの子供も保護者も今は大変だけれど、きっといつかは・・という言葉がけをしながら楽しい食卓を囲んでほしいと願っています
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