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2009年03月18日
『なたね梅雨と自炊率』
春一番の嵐が去り、なんとなく暖かい日が続きます。
最近はよく雨が降りましたね。この季節に降る長雨のことを特に『なたね梅雨』と言います。3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花(別名 菜種)の咲いている時期に降り続く雨のことを言うそうです。また、菜の花をはじめ色々な花を咲かせるという意味で、「催花雨(さいかう)」という別名もあるそうですよ。春雨(はるさめ)は、このころの優しい雨のことを言う場合が多いようで、子供の頃に見た芝居で、歌舞伎役者が『春雨じゃ、濡れていこう』と、粋に歩いていたことを思い出します。
調べてみると、春から夏にかけては、植物にとって成長を促す大切な雨が降ることから、この時期の雨に植物の名前が付いているものが多いです。
「なたね梅雨」の季節が終わると、5月初旬は「たけのこ梅雨」、そして、5月中旬からは「卯の花くたし」と続きます。その後、梅の実の熟す頃、本格的な「梅雨」がやってくるのですね。日本人は昔から『よく雨が降りますね。』と言うだけでなく『なたね梅雨の季節ですね』とか『たけのこ梅雨ですね。雨後のたけのこ・・・』というように、自然と生活が結びつくような会話を楽しんでいたようです。子供達にも残したい文化ですね。
さて、NHKの『今日の料理』と言う番組をご存知ですか?
1957年から続いている料理番組の草分け的存在の長寿番組ですから、知らない方は少ないと思います。
その番組で紹介される料理の分量が今月30日より変更されるそうです。どのように変更されるかと言うと・・・料理の食材の量が、これまでの4人分から2人分に変更されるそうです。この見直しは44年ぶりとの事。
NHKによると1957年の番組開始当初は5人分だったそうです。しかし、核家族化の進行で1965年から4人分に変更し、今まで4人分で紹介していました。その間、実態に合わないとの理由で何度か見直しが議論されたそうですが、一家だんらんのイメージが損なわれるとの意見が根強く、変更にいたらなかったそうです。しかし、今月30日の放送分からは2人分を基本にしながら、料理に応じて柔軟に対応していくそうです。
時代のニーズに沿うことになるのでしょうが、個人的にはちょっと寂しい気持ちがあります。その背景として、2005年の国勢調査によると1世帯の平均人数は「2.6人」だそうです。今日の料理の担当プロデューサーは「少子化で世帯人数が減少傾向にあることに加え、廃棄される食べ物が増える状況で食物を大切にする姿勢を示しました。テキストの読者アンケートでも2人分を望む声が増えています」と説明しているそうですから、この変更は時代のニーズになるのですね。
ただ、料理をする主婦としてですが、料理は10人分くらいを一度に作るのが美味しく作るコツなのです。そのことを教えてくれたのは「辰巳芳子さん」の本でした。辰巳さんの本を読んで「あっ!そうなんですよね」と一人でガッテンしたことがありました。煮物などは10人分くらい作り置きをしたら良いですよ。作るときはきちんと作るので時間がかかりますが、毎食新しい物を作るより時間的余裕ができるはず・・というような趣旨の内容がありました。
そうなのです。いつも新しい料理を作ろうと考えるから、料理を作ることが楽しくなくなるのですが、『今日はあの、煮物があるから、あと1品だけでいい』と考えると料理を作る負担が少なくなるかも??4人分の分量が2人分に変更になると味付けが難しくなります。
食材そのものの味や力を感じることが少なくなるかもしれません。
ちょっと、そこが気になります。しかし、これが時代の流れなんですね。
あとは、それを如何にアレンジするかですね。
今日のニュースで若い男性で一人暮らしをしている人の自炊率が上がっているとの報道がありました。その事実からも分量は4人分よりも2人分の方が求められているのですね。
自然の現象に『食』を取り入れて楽しんでいた日本人の感覚から、食材の分量を変化させて時代に合わせていく長寿料理番組を考えました。
どちらも必要な感覚ですが、できれば子供に食文化を伝えていくときには「なたね梅雨ってね」とか「たけのこ梅雨が続くとたけのこがたくさん取れてね」など、時代が変わっても伝えたいこと、残したいことを守っていきたいですね。
投稿者 yoshikei : 09:02
2009年03月02日
『楽しいひな祭りの食べ物は?』
3月3日は『桃の節句』のひな祭りです。
近所のスーパーに買い物に行くと、『明かりをつけましょ!ぼんぼりに・・・』との音楽が鳴り響いています。
桃の節句といえば、雛あられ・チラシ寿司などを思い浮かべますね。
春を告げる山野草を上に散らしたりしてかわいらしく盛り付けるといいなあナンテ思います。
さて、ひな祭りはいつからおこなわれるようになったのでしょう?ちょっと調べてみました。それは、江戸時代に遡ると言われています。昔の中国では、3月の1番始めの「巳の日」を上巳といい、川にいってみそぎを行い、お酒を飲んでけがれを払う風習があったそうです。(これは、のちに「曲水の宴」とよばれる行事に発展したそうですが、)一方、日本では3月の初めに海や山へ出て一日を過ごし、身のけがれを洗い流す習慣がありました。これは、農耕行事で田植えの始まりの季節に、田の神を迎えるものです。人間の形に切り抜いた「人形」作り、それで身体をなでて、けがれを落としたのちに海や川に流していたそうです。
人形といえば、平安時代に『ひな遊び』という少女たちの遊びがありました。『ひな遊び』というのは人形を使ったままごと遊びのようなものだったらしいです。ひな人形を持って野山や海辺へ出かけ、おひなさまに春の景色を見せてあげる「ひなの国見せ」という風習があり、春のごちそうを持って行ったのが始まりだそうです。ということで、『ひな祭り』とは、ひな遊びと中国の「上巳」の行事と日本固有のお祓い行事と結びついてできた行事だそうです。
ひな祭りの食べ物というと①ひなあられ ②菱餅 ③白酒 ④ハマグリ・・を思い浮かべますね。まとめてみますと
①ひなあられ・・・ひな祭りのあられは、おひつの蓋や底に残った米粒をそのつど、こまめにザルに干しておいたものをリサイクルするお菓子です。昔の母親は桃の節句にことよせて、台所を預かる主婦の心配りや節約法を娘に伝えていたのそうです。現代の母親は娘に何を教えたらよいのでしょうね。今度、子供に伝えたい台所の心配りなどをまとめていきましょう。
②菱餅・・・紅・白・緑の三段重ねの色はそれぞれ桃の花、白酒、草餅を表しているそうです。草餅はヨモギを入れて作りますが、ヨモギは邪気をはらう力をもっていると信じられていて増血剤にもなります。菱餅の形は心臓を表していると言われ、災厄を除こうという気持ちや、親が娘の健康を願う気持ちが込められているそうです。
③白酒・・・中国では桃の邪気をはらう神聖な木とされ、上巳の祝いに「桃」を浮かべた酒を飲む風習があり、日本でも桃は魔よけとして使われたそうです。室町時代になると、桃酒に代わって、白酒が祝いの席で飲まれるようになったとのことです。
④はまぐり・・・はまぐりは2枚貝で、上下の貝殻は同じ貝のものでなければ絶対に合わないことから、末永く夫婦円満に暮らせるという縁起物とされています。
このほかに、忘れてはいけない『ひなあられ』。
ひなあられって関西と関東で全く違うことをご存知ですか?友達に聞くとみんな知らない!との返事。。。
それでは、『あなたのひなあられってどんなの?』と尋ねると、いろいろでました。私は関西育ちなので、『ひなあられ』はあられです。味は塩味、しょうゆ味などが基本でたまに砂糖味のものもあります。もともと雛祭りにかかせない菱餅を砕いて炒ったのが始まりとされているそうです。しかし、関東の『ひなあられ』は米粒大で甘いものだそうで、お米で作ったポン菓子を砂糖などで味付けしたものだそうです。
友達同士で「へぇ~、いろいろあるんですね」と話していたら、宇和島出身の人が「私のところはあられとポン菓子を水あめで固めて丸くしたものでした!」と爆弾発言!!
文献を調べるよりも周りの人とのおしゃべりの方が面白い情報が得られるようです。皆様から「私のひなあられはちょっと違うよ!」と教えていただけると嬉しいです。楽しみに待っています。
ひな祭りやひなあられからもわかるように、日本の食文化は、中国の影響を受けながらも伝統的要素をからみ合わせながら発展してきたようです。その中で現代に伝わっている行事は、生活の節目や季節の変わり目に欠かせない要素を食べ物に含ませて伝えてくれているように感じました。
これからも、行事食などを大切に次の世代に伝えたいですね。
投稿者 yoshikei : 16:53
